すっかり夏になっちゃいましたね〜!
京都は気を失いそうなくらい暑いです。

みなさまこんにちは、ゆるぢえさんライターの岩城です!
私は京都で只本屋(ただほんや)というフリーペーパーのお店を運営しています。
フリーペーパーって、その名のとおり無料で読めちゃうものなんですが、
実はその中身も本と変わらないくらい、めちゃくちゃ面白いんです!
普通の雑誌などではなかなか紹介されない、いわゆるニッチなコンテンツをより深〜〜〜く濃〜〜〜く紹介しているのがフリーペーパーならではの魅力でもあります。
今回取り上げるのは縄文ZINEです!
都会の縄文人のためのフリーマガジン・縄文ZINE

縄文人…縄文ZINE(ジン)…ネーミングから飛ばしているこちらのフリーペーパー。
サブタイトルは『都会の縄文人のためのフリーマガジン』。
縄文という独自のテーマで一見マニアックに感じますが…
毎号3万部もの数が発刊されており、今大人気のフリーペーパーなんです!最近ではNHKでも取り上げられてさらに話題になりました!
ぶっとんでますがおしゃれなデザイン、コンテンツもたっぷりで、一冊読めばあなたもイマドキの縄文人になれるであろうこのフリーペーパー。
こんなに面白いものが無料だなんて!文句無しで、すごすぎます!!!

▲最新号の巻頭特集は、『1951年の岡本太郎』。
太陽の塔でおなじみの岡本太郎がなんとこの年、縄文土器に魅せられ文献を書いたそうな。

▲土器絵描き歌…?イラストがかわいい!

▲なんと小山健さんのマンガもあります。

▲こちらはカップ焼きそばと縄文。一体何の関係が………?

▲土偶×モデル=ドグモ。みなさん華麗に土偶ポーズを披露しています。
フリーペーパー・縄文ZINEって?
この、まさか無料とは思えないフリーペーパー・縄文ZINEについて探るべく!
今回編集長の望月さんへSkypeでお話を聞いちゃいました〜〜〜〜〜〜!


よろしくお願いします。縄文ZINEの望月です。

よろしくお願いします!わ、土偶のTシャツを着てらっしゃる…。

いいでしょう。これは縄文ZINE最新号の表紙を飾っている、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんデザインのTシャツなんです。

さすが、縄文愛が人のそれとはわけが違いますね…
それにしても、なんで縄文が好きなんですか?

えっ。
縄文時代、好きは好きなんですけどなんでって言われるとちょっと…でも、好きになるのに理由なんていらないですよね。

なんか恋愛の話を聞いてるみたいなんですけど…!

縄文の話です。(笑)
クライアント=俺、作る人=俺、編集=俺

そんな理由がないくらい好きな縄文について、特に魅力を感じている!っていう部分はどこですか?

縄文って、その時代のヒーローこそいないんですけど、遺物からおもしろい人達がいたんだなあとわかって、知れば知るほど興味が湧いてくるんですよね。


へ〜!結構妄想とかが楽しいんでしょうか?

あ〜妄想もしますけど、フリーペーパー内では一応考古学的事実に基づかないものは書かないように、気をつけてリサーチしながら書いてます。
謎が多い時代だからこそ、スピリチュアルな解釈をしがちになってしまう気がして…。誤解を生まないように、冗談を書くにしてもあるていど事実をもとにした冗談にしようかなとは考えてますね。

それにしては土偶ポーズのスナップ・ドグモとか、縄文人のツイートをイメージしたコーナー縄文なうとか、縄文人おすすめの小説コーナーとか…なかなかパワーワードが多いようなので、意外なお答えです。(笑)


それはフリーペーパーだからこその部分もありますね!
普段は仕事でエディトリアルデザインをしているんですけど、縄文ZINEはクライアント=俺、作る人=俺、編集=俺っていうオールインワンだから。(笑)
そういう点で文句言う人がいない。原稿は頼んでたりもしますけど、「これをやったらよくないよね」「これをやったら誰か傷つくんじゃないか」と気にしたりとか、丸まる部分が少ない。

縄文ZINEで傷つけるって、たとえば?

弥生人とか…(笑)
ほら、弥生の悪口書いたらよくないなあとか、あるでしょ。

その状況に陥ったことはないですね。

縄文ZINEでは縄文について詳しくない人を縄弱(じょうじゃく)って呼んだりとか、それも一般的な仕事だと抵抗あるじゃないですか。

仕事というか、印刷物でなかなか出ないワードですよね。

▲縄弱(じょうじゃく)な現代人へ向けたコーナーも充実しています

でもまあおもしろい方を優先するという方向でいってるのでまあ多少は引っかかったほうがいいかなと。そういう会議を一人でして、決裁を下したわけですよ、一人で。(笑)

その決裁の結果、こんなにおもしろいフリーペーパーが生まれたんですね!
「縄文ってオシャレ」ターゲットは若者

こんなこと言ってしまうと本当に申し訳ないんですが、わたし、縄文時代について全然知らなくて。

まあそうですよね。縄文好きな人って、おじさんばっかりなんです。

え!!!!リトルトーキョーでのイベント・縄文ナイトは若い女子が殺到したと聞いてますよ!
▲縄文ナイトの様子

縄文ナイトは二回やってるんですが、二回目はとくに縄文女子がきましたね、びっくりです。
縄文ファンって縄文おじさんがメインで、その次くらいに縄文おばさんがいて、若い人ってほっとんどいなかったんですよ。
でも縄文ZINEのイベントは若い人たちも来てくれて。狙い通りでしたね。

狙いがあったんですね!?縄文に若者を取り入れるという!!!!

はい。
こないだ読者から夜中に電話があって、多分おじいちゃんだったんですけど「文字をおっきくしろ!」ってすごい言ってきて「すみません、若い人をターゲットにしてるんです」って。
そしたら「じゃああれか、わしらみたいな年金生活者は読むなっていうことか」ってすごい剣幕で言われて。

ヤバイ(笑)

「そんなことはないんですが、若い人をターゲットにしてるんです。」っていう押し問答をずっとしました。(笑)

わたしは基本的に、縄文ZINEのほかに縄文のインプットがないので、縄文好きな人って若い人が多いんだなあと…勝手に…

そうやって世間に嘘をついてるんですよ。
「縄文ってオシャレだよ〜☆」って、流行らせようとしてるんです。

ツイッターもめちゃくちゃ更新してますよね。それも『若い人に人気なのかな!?』と思わせている一因な気がします。

▲縄文人がツイッターをしていたなら…こんなつぶやきをしていたかもしれない。縄文なう。

ツイッターでひとつ純粋な疑問なんですけど、縄文なうでは何故、超かっこいいバンドのサチモスをカッコ悪くするツイートをしてるんですか?

→ togetterまとめ #サチモスをカッコ悪くする
(https://togetter.com/li/1091788)

サチモスについては…サチモスってなんかオシャレじゃないですか。おしゃれな若い連中がやってるっていうのが、まあ、羨ましいは羨ましいんですけど。
縄文はそれに比べてちょっと芋っぽいじゃないですか。やっぱり、 本来は土だし、茶色だし。

土器ですからね。

だからサチモスを芋っぽくしたら相対的に縄文をあがるんじゃないかなと。
おしゃれすぎますしね、ちょっとくらいいいじゃないですかと。

そうだったんですね。タイムラインで見てて、誰がつぶやいてるんだろう?と思ったら縄文なうだったので、なにかと思ってたんですよ。

たまに他の人もハッシュタグでつぶやいてくれるんですけどね。でも「なにやってんだろ」って思ってる人が大半なんだろうなあ…。

圧痕(あっこん)ブームが来ているらしい

そろそろ縄文時代のお話を聞かせて下さい!(笑)
実は今回、望月さんに取材する前にゆるぢえさんで、縄文記事を執筆している松本ジュンイチローさんにいろいろ入れ知恵していただいたんです。

ゆるぢえだけに。

▲マイ土器でスタバを楽しむ松本ジュンイチローさん
「スタバのコーヒーはマイ縄文土器を持参しても割引されるのか」

そこで、縄文時代の最新情報を聞いたら、
土器に見つかった豆の型を分析したところ、自然に生えてきたものとちがうことがわかり、縄文時代から豆の栽培ははじまっていたのではないか?という発見が今ホットな縄文情報と伺ったのですが…

ふむふむ、それはですね。今、考古学界ではちょっとした圧痕(あっこん)ブームなんですよ!

あっこん???

圧痕というのは、見つかった土器にシリコンを注入して、豆とか植物の痕跡を調べることなんです。
野生に生えてたらそんなに大きくなってないだろ〜みたいな、あきらかに大きい豆とかが見つかったりしてて、大きな豆を選別してより大きな豆を栽培してたんじゃないかなと。

ほ〜!圧痕自体がブームっていうことですか!
望月さんの今ホットな縄文情報とかはありますか?

最近、沖縄で大洞式土器(おおぼらしきどき)の破片が見つかったというニュースですね。
大洞式土器っていうのは、遮光器土偶(しゃこうきどぐう)の仲間で…遮光器土偶っていうのは、よく教科書とかに載ってる、よくあるあの…目がでかい…


こういう目のやつですね?
( e.e )

…うん。


( e.e )

…それがいわゆる北東北の土偶で、同時代の土器がそんな遠いとこで見つかったんだ?みたいな。そこで実は沖縄ともその時期にけっこう交流があったんじゃないかっていうニュースが、ホットな情報ですね。

縄文人、沖縄まで歩けちゃうんですね!!!!

一応船もあったんですけど、当時の船ではそんな遠くまで行けないし。
まあ九州と沖縄の交流はあったみたいなんですけどね、でも縄文時代でも文化圏っていうのは割と決まっていて、東北から関東、関西は関西、とか。
お互いに連絡はあったみたいだけど、それほど密な関係ではなかったと思われていたんですよ。なのに北東北の土器が沖縄で見つかったっていうのは「えーそうなの?」って。

「えーそうなの?」ってくらいのテンションなんですか(笑)

まあそういうこともあるんですよ。大洞式土器と、同じく晩期の亀ヶ岡式土器(かめがおかしきどき)なんかはいろんなところで破片とかも見つかってるので、その範囲がまた広がったなーと。
弥生と縄文じゃマインドが違う

純粋に歴史としておもしろいんですね、縄文時代って。
今でもそれだけ新たな情報が見つかるところも、弥生時代とか縄文後の時代にはない魅力なんですかね?

それもありますが、やっぱり弥生と縄文じゃだいぶマインドが違うというか。

マインド…!?

そうです。弥生時代で稲作という文化を受け入れてしまった時点で、縄文人が持っていた文化とかはどんどん薄くなってっちゃったんだろうなと。
縄文時代というのは、自然と共存していた時代なんですよ。

稲作でどう変わったんでしょう。

稲作してしまうとやっぱり自然を組み伏せるというか、開拓して自分たちの使いやすい場に変えていってしまう力が強いわけじゃないですか。土地を所有しているという概念が生まれて。
縄文時代は「ここが自分たちのテリトリーだ」っていう感覚はあったにせよ、場所自体に自分たちのものだっていう意識はなかったんですね。戸籍も、土地を売買することもない。

(なんか学校の授業みたいになってきたなあ…)

でも田んぼを作っちゃうと、やっぱりこれは自分の作ったものだ、自分の土地だ、と対自然の考え方がガラリと変わっちゃいますよね。
これが稲作を始めるってことです。

でも、今の私たちに近いのは弥生人ですよね?

はい、私は米も美味しく食べますし、弥生的な無印良品の家具とかも持ってますし、どちらかというと弥生人です。

いやそれフツーです!(笑)


まあ弥生人でもみんな心のどこかに縄文の生き方ってなんかいいよね、たまにはこういうのもいいよねっていうのがちょっとあると思うんです。
たとえば昔の人の、八百万の神々的な日本の考え方って縄文的な感覚だなとか思っています。縄文時代って自然と共存しているわけだから、自然とか身の回りのものが自分たちを見守っていてくれるみたいな、そういった概念がある。
だから全く共感できないかというとそんなことないと思うんですよ。

なるほど〜!たとえばなんですけど望月さんが自分のなかで「ここ縄文残ってるわ〜」って思うとこってありますか?

残念ながら、僕はそんなにですね。
やっぱりお米は美味しいし、無印良品の家具とか持ってるし。自分で土器作ろうとか、鹿を解体したいとかも思わないですしね。

いや、それがやっぱりフツーだと思いますよ!
本当に縄文時代にフリーペーパーがあったらどうなる!?

さて、まだまだ縄弱な私ですが、只本屋として聞きたいことがあったんです。
しかし聞けば聞くほど、様々な「縄文時代の常識」に打ちのめされることになりました……

いろいろ伺ったんですが、実は一番聞きたいことがあったんです。
縄文時代にフリーペーパーがあったとしたら、どんなものだったんでしょう?

えーむずかしいですね!紙がなかったですからね、でも布はあったんで、いけそうな気もするんですけど。


え〜〜〜〜〜〜〜!まさかの!紙がない!?でもほら、絵は…壁画とか!あったんじゃないですか!?

実はそれも…残っていないんです。全くないというわけではないのですが、絵画とかは残ってないですね。


そんな…じゃあ、フリーペーパーはできないですね。

それにもし縄文ZINEのようなフリーペーパーとなると、表紙も目次もほしいですよね。ただそもそもそこに記す文字がないから…文様とかはどうでしょう。

文様!?

土器の文様が、ある物語を表していたんだっていう考古学者もいるんです。特に長野や山梨の土器はすごく物語性が強くて、意味深なんです。もちろん意味はわかんないんですけどね。


え〜〜〜〜!じゃあ縄文時代の只本屋は、そういう土器がいっぱい置いてあるとかどうですか?

ありだと思いますね!ただフリーペーパーのよさって、いろんなひとにそれが伝播していくことだと思うんですよね。だから、伝え聞かせるのが印刷の代わりっていうのがいいかも。

では只本屋=伝え聞かせ屋…!?

そうですね!おじいちゃんみたいな人が一人、ちょこんと座っていて誰か来たら「聞く?」って。急に歌い出す。(笑)

「縄文ZINE最新号、聞くか?」って。
縄文ZINEはコンテンツ多いから歌うのも大変そうだな〜。(笑)

そうそう。(笑)
でも縄文人たちの記憶力を侮ってはいけませんよ!

結論、縄文時代にフリーペーパーがあったら歌になる。
なんかますますわかんなくなった気はしますが、縄文についてはちょっと知ることができた気がします!
望月さん、ありがとうございました〜!
縄文ZINEの詳細情報

都会の縄文人のためのフリーマガジン・縄文ZINE
配布地域:日本全国の博物館、本屋、カフェなど
詳しい配布情報:http://jomonzine.com/pg146.html
発行:年3回
WEBサイト:http://jomonzine.com/
なんと毎号3万部を発刊している縄文ZINE。
しかもそのほとんどが手に取られている状況だという、今大人気のフリーペーパーです。
もちろん只本屋でも絶賛配布中です!
縄文初心者のみなさんも、ぜひ手に取ってみてくださいね。









