
新卒入社した会社で加入した企業型確定拠出年金。
その会社を退職した後、放置に放置を重ねてついに5年が経過してしまいました。
このままではダメだ!と一念発起。
口座にはいくら残っているのか?
いまさら解約できるのか?
手続きはめんどくさいのか?
いっそ、このまま放置していてもいいだろうか?
こんなモヤモヤがスッキリ解消!
企業型確定拠出年金の資格喪失後の手続きについて、全部調べてみました。
目次
1. 放置すると損!?手数料はどれくらいかかるのか
離職時に忘れがちな企業型確定拠出年金の処理
企業型確定拠出年金は、加入していた企業を退職すると資格喪失になります。
確定拠出年金の記録管理を請け負っている会社(日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社会社・JIS&Tなど)から、資格喪失のお知らせが届きますので、退職後郵便物には注意しておきましょう。

厚生年金の資格喪失は、退職時に会社から書類が発行されて手続きするように指示がありました。
その手続きを早々にすませて安心していたので、確定拠出年金は完全に盲点でしたね。

届いたハガキには、手続きについての指示がありました。
資格喪失した日の翌月から6ヶ月以上手続きをせず放置すると、年金資産は自動的に国民年金基金連合会へ移換されるとのこと。

ただ管理する団体が変わるだけだと思っていたら大間違い。
国民年金基金連合会への移換はいろいろデメリットがあったのです。
自動移換の手数料でどれくらい損するのか
確定拠出年金が国民年金基金連合会へ移換されると、移換手数料と運営管理費という2タイプの手数料が資産から引かれてしまうことになります。
移換しただけで、手続きの手数料が4,269円も引かれています。
さらに管理手数料が年612円が引かれていきます。

せっかく積み立てた確定拠出年金が、放置することによって目減りしていってしまうんですね。
5年放置の確定拠出年金からは手数料で6千円も消えていた(涙)
国民年金基金連合会の自動移換者専用コールセンター(TEL:03-5958-3736)に問い合わせてみました。
なんと、積み立てた8万5千円から、放置した5年間で約6千円も手数料として消えていることがわかりました。
企業型確定拠出年金がそもそも自分の意志ではじめたものではないだけに、6千円も無駄な手数料で持っていかれるのは辛いですね。

毎年千円以上ドブに捨ててる計算か・・・
運用当時の書類を発掘!

会社員として企業型確定拠出年金を運用していたときの成績通知書類がみつかったので、運用状況を確認してみたいと思います。
加入期間:3年3ヶ月(2009年3月〜2012年6月)
掛金:3,000円/月

ニッセイTOPIXオープン、東海3県ファンド、企業型確定拠出年金の担当金融機関が提供する確定拠出年金専用の定期積立て2年と3年、の計4商品に掛金を振り当てていたようです。
当時の私がなぜこの商品を選んだかは今となっては謎です。

2,000円にも満たないですが一応利益はでていたようです。

放置中の手数料でこの利益も全部吹き飛んでしまいましたね・・・むなしい。
2. 資格喪失後の企業型確定拠出年金の手続きは人によって3パターン
手数料は引かれてしまったけれど、まだ口座に資産が7万9千円も残っています。

これ以上放置してもっと目減りする前にどうにかしないと!
何をしたらいいのか調べたところ、資格喪失後の企業型確定拠出年金の手続きは、人によって3つに分かれることが判明しました。
②個人型確定拠出年金に移換する
③解約して脱退一時金をもらう
①転職先の企業型確定拠出年金に移換する
再就職先が企業型確定拠出年金を採用している場合は、前の会社同様に強制的に加入となります。
会社の担当部署が手続きをしてくれます。

私の今の勤務先は幸い企業型確定拠出年金がありませんので、再加入は免れました。
でも、会社に手続きをしてもらえるのは楽でいいですね。
②個人型確定拠出年金に移換する
個人で加入できる確定拠出年金です。
法改正により、平成29年1月から加入条件が広くなり、ほとんどの人が加入できるようになりました。
③解約して脱退一時金をもらう
①、②は確定拠出年金の制度内の移動でしたが、一定の条件を満たしている人は、確定拠出年金そのものを解約することができます。
3. 【原則として解約不可!】確定拠出年金の解約条件は厳しかった

もともと会社で強制加入させられた制度だし、やる気もないし解約にしよう!と思っていたら、衝撃の事実が発覚!
限られた例外を除いて、確定拠出年金は60歳まで解約できません!!!!
企業型確定拠出年金は、一定の条件を満たしている場合に限り解約できるのですが、その条件がかなり厳しく、ほとんどの人が当てはまらずに個人型確定拠出年金へ移行せざるをえないのが実情です。
自分でお金を出して、個人の口座で運用しているとはいえ、確定拠出年金もあくまで年金制度の一部。
老後に受けとることが前提なのです。
公的年金が決まった年齢に達しないと支給されないように、確定拠出年金で積立てたお金は原則60歳まで手出しできない、という理屈のようです。

会社の都合で強制加入だった上に、やめることもできないってどういうこと!?

いや、でももしかしたら私も解約条件に当てはまっているかも・・・
企業型確定拠出年金を解約して脱退一時金を受け取ることができる条件とは?

資格喪失の日の翌月から6ヶ月以内の場合
資格喪失をした日(つまり離職したタイミング)から日が浅い人は、以下の2つの条件を満たしていると脱退一時金が受けとれる可能性があります。
2. 企業型年金加入者、企業型運用指図者、個人型年金加入者、個人型年金運用指図者ではない

私は資格喪失から5年も経っていて、資産額もオーバーしているのでこちらには当てはまりません。
加入者資格喪失日の翌月から6ヶ月以上経過している場合
6ヶ月以上手続きをとらず、国民年金基金連合会へ移換されてしまった場合は条件が変わります。
2017年1月に法改正があり条件が変わったため、資格喪失日が2016年12月31日以前の人とそれ以降の人でも条件が分かれています。
以下5つの条件をすべて満たしている必要があります。
1.国民年金保険料の納付を免除されている
2.確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではない
3.通算拠出期間が3年以下、もしくは個人別管理資産が25万円以下
4.企業型または個人型確定拠出年金の資格を最後に喪失した日から2年以内
5.企業型確定拠出年金の加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していない

国民年金保険料の納付を免除されている人となると、学生や所得が少ない人などかなり限られてきますよね。
厳しい・・・!
個人型の確定拠出年金の加入資格があるかないかで、また条件が2手にわかれます。
(1):個人型に加入する資格がない人
以下6つの条件をすべて満たしている人が解約の対象になります。
1.60歳未満
2.企業型年金加入者ではない
3.最後に企業型年金加入者または個人型年金加入者の資格を喪失した日から2年以内
4.確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではない
5.通算拠出期間が1ヵ月以上3年以下、または個人別管理資産額が50万円以下
6.企業型年金の資格喪失時に脱退一時金を受け取っていない
(2):個人型に加入する資格がある人
以下4つの条件をすべて満たしている人が解約の対象になります。
1.個人型年金運用指図者(掛金を拠出しない個人型)の資格を取得した日から2年が経過している
2.確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと。
3.通算拠出期間が1ヵ月以上3年以下、または個人別管理資産額が25万円以下
4.企業型年金の資格喪失時に脱退一時金を受け取っていないこと。
条件が細かく分かれていてややこしいので、可能性がある人は管理機関に問い合わせしてみるといいですよ。

どの条件でも当てはまらない項目が1つはあったので、私は解約はできないことが確定しました。
解約条件に当てはまる人は、管理機関に連絡をして「脱退一時金裁定請求書」を取り寄せてください。
必要事項の記入をして本人確認書類をそえて提出します。
解約には特定運営管理機関への手数料が4,104円かかります。
・解約時にも手数料がかかる
4. 個人型確定拠出年金とは?
企業型確定拠出年金のある企業に再就職するのではなく、解約の条件にも当てはまらないと、残された選択肢は個人型確定拠出年金のみとなります。
そもそも確定拠出年金とは
企業型確定拠出年金には、私のように、「なんだか良くわからないけど、会社の指示で入った」という方も多いのでは?
そこでまず、そもそも確定拠出年金制度とはなんなのか、簡単に復習したいと思います。

確定拠出年金は、公的年金だけでは老後が心配、積極的に資金を増やしたい、というニーズに応えて、公的年金にプラスする形で運用できる年金です。
公的年金(国民年金、厚生年金)は、国の機関がまとめて管理し、支給される金額も決まっています。
一方、確定拠出年金は、自分で積み立て投資をするので、その成果次第でもらえる金額が変わります。

公的年金が、国民みんなで共有する年金。
確定拠出年金はプライベートな年金というイメージでしょうか。
《確定拠出年金のメリットデメリット》
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・自分で運用方法を選べる ・掛金が税控除されるなど節税効果がある ・運用が好調であれば老後資金に プラスの備えになる |
・自己責任で資金運用しないといけない ・原則60歳まで解約できない ・運用が不調であれば年金資産が減る |
確定拠出年金で運用している資金は税控除されるため、投資したい人にとってはNISA(ニーサ)に近い節税効果があります。
一方、自己責任で運用していかなくてはいけないので、投資に興味がない人や私のように面倒くさがりの人は負担感の大きい制度です。
個人型確定拠出年金とは
確定拠出年金(別名401K)には、企業型と個人型の2タイプがあります。
企業型確定拠出年金(DC)は、採用している会社に入ると強制的に加入することになります。
裏を返せば、企業型確定拠出年金を採用している会社に入らないと加入できないということです。
個人型確定拠出年金(別名iDeco)は、広く一般の人を対象にしていて、確定拠出年金を採用している会社に勤めていなくても加入できます。
個人型確定拠出年金に加入できる人
法改正で、60歳未満の成人ならほとんどの人が利用できるようになりました。
・自営業者(第一号被保険者)
・会社員・公務員(第二号被保険者)
・専業主婦/主夫(第三号被保険者)
個人型確定拠出年金に加入できない人
農業に従事している方、企業型確定拠出年金のある会社に入っている人は要注意です。
・農業者年金の被保険者
・国民年金の保険料納付を免除(一部免除を含む)されている人
・会社員のうち、企業型確定拠出年金、または確定給付企業年金を採用している会社の社員で、企業がマッチング拠出を採用していたり、掛金が制度上の年間限度額を超えている場合。
企業型と個人型の違い
会社で入るか、個人で入るか以外にも、企業型と個人型には違いがあります。
・運用手数料は会社負担
・強制加入
・金融機関を自分で選べない(=会社が選んだ金融機関の商品しか選べない)
・積立額は原則自分で決められない
・育児休暇など無給休職の場合をのぞき、原則として掛金の拠出を停止できない

手数料を会社が負担してくれるのはありがたい!
でも、会社で決められていて個人的に条件を選べないのは、投資を真剣にしたい人にとってはデメリットかも。
・運用手数料は自己負担
・任意加入
・金融機関を自分で選ぶ
・掛金の積立額は自分で決める(限度額あり)
・掛金の拠出を停止して運用だけにする選択肢もある

運用だけにすれば、毎月掛金を払わなくていいから、消極的な人にとっては便利かもしれないですね。
個人型は掛金の自由度が高い
個人型確定拠出年金に移行するとき、掛金を出して積立てていくか、掛金を出さずにこれまでの資産を運用するだけにするかを選ぶことができます。
掛金を出さず、資産の運用だけをおこなう個人型確定年金加入者を「運用指図者」といいます。

会社を辞めたし毎月の支出をこれ以上増やせないよ!という場合は運用指図者を選択すればいいですね。
掛金の金額も自分で決めることができる
個人型確定拠出年金の掛金は基本が5,000円、それ以上は1,000円単位で追加設定することができます。
一方で上限額が設定されており、国民年金の加入状況によってその額は変わります。

・企業が負担してくれていた運用手数料は個人型では自己負担に
5. 個人型確定拠出年金のコスト
個人型確定拠出年金にかかる手数料
企業型確定拠出年金の手数料は企業が負担してくれます。
一方、個人型確定拠出年金の手数料は加入者本人が負担しなくてはいけません。
どんな手数料がどれくらいかかるのか、表にしてみました。
個人型確定拠出年金に移行するには、加入費などの初期費用だけでなく管理費が継続的にかかってきます。

もしかして、このまま放置していたほうが安上がりなんじゃ・・・
放置したほうがまし?個人型とのコスト比較

やっぱりこのまま放置したほうがお得!?
放置を続けると年金が受け取れないリスクが!
運用コストだけみると、放置しているほうが安上がりで楽であるように感じます。
しかし、そこには落とし穴が。
実は確定拠出年金を国民年金基金連合に移換したまま放置すると、手数料コスト以外にも多くのデメリットがあるのです。
資産を増やす機会の損失
移換中は投資が行われないので、その間運用して増やせていたかもしれない資産の分損していると考えることができます。
(もちろん運用で損をする場合もあるので、何もしないほうが得になることもありますが。)
移換中は加入期間にカウントされません
国民年金基金連合で保留されている期間は、確定拠出年金の加入期間にカウントされません。
一方で、確定拠出年金は加入期間が10年未満だと、最長で5年も支給開始年齢が先送りになってしまいます。
受給年齢に達しても給付が受けられない
確定拠出年金は、運用期間によりますが最短で60歳から給付を受けることができます。
しかし移換中の資産は、給付年齢に達しても凍結されたまま給付を受けることができません。
つまり保留している限り、もらえる額はゼロ円ということです。
このため、個人型確定拠出年金の運用にかかる手数料や手間のコストと、保留されている資産の額を天秤にかけて考える必要があります。

手続き面倒だし悔しいですが・・・7万円を無駄にするのはイヤなので、個人型確定拠出年金に移行しようと思います。
・放置しておくと手数料が抑えられるかわりに給付に問題がでる
6. 個人型確定拠出年金への移行方法
国民年金基金連合会へ移換する前でも後でも、どちらのタイミングでも個人型確定拠出年金へ移行する際の手続きの流れは同じです。

掛金を管理してもらう金融機関を選ぶ>>>資料を取り寄せる>>>申し込みをする、の3ステップ。
掛金の拠出を希望する場合は、「個人型年金加入申出書」と「個人別管理資産移換依頼書」を、掛金の拠出をしない運用指図者を希望する場合は、「個人別管理資産移換依頼書」を提出します。
金融機関選びは手数料と取り扱い商品がポイント!
個人型確定拠出年金を取り扱う金融機関は、銀行や保険会社、証券会社などさまざま。
選択のポイントは、手数料の安さと、取り扱い商品です。
毎月の手数料はできるだけ抑えたい
個人型確定拠出年金は、毎月手数料がかかってきますが、そのうち、運営管理機関手数料は金融機関によって設定金額が異なります。
また、年金資産の金額によっても手数料を分けている金融機関もあります。
手数料が安いことで有名なのが楽天証券です。
年金残高が10万円以上なら手数料無料!
10万円以下でも月額226円と、他の金融機関と比べて割安です。
⇒楽天証券の個人型確定拠出年金の詳細をチェック!
資産が増えるも減るも運用商品次第?
掛金を出す運用商品は、金融機関によって品ぞろえが異なります。
元本保証型の定期積立てでも金融機関によって利子の率が違ったり、人気の投資信託銘柄がある金融機関、ない金融機関とさまざま。
確定拠出年金の運用商品は、成績や経済状況などを考慮して、原則いつでも変更することができますが、もし金融機関の取り扱い商品が少ないと、柔軟な対応が難しくなります。
手数料の安さだけでなく、どんな商品を取り扱っているかは、加入前におさえておきたいポイントです。
個人型確定拠出年金の取り扱い商品数が多いのはSBI証券。
株式、債券、バランス型・・・と投資先タイプも幅広くカバーしているので、積極的に運用したい人にとっては選択肢が増えます。
⇒SBI証券の個人型確定拠出年金の詳細をチェック!
7. まとめ
・放置を続けると、年金支給年齢になっても積立てた資産がもらえない
・個人型確定拠出年金にも手数料がかかるので、資産と天秤にかけて検討する
面倒でややこしいので、ずっと見て見ぬふりをしてきた企業型確定拠出年金放置問題。
問題発生から5年も経ってしまいましたが、やっと事態の把握と解決策が見えて一安心です。
・・・とはいえ、金融機関を選んだり、手続き書類を書いたりと、課題は山盛り。
こちらもまた記事にしたいとおもいますので、お楽しみに(?)











